これまでのおさらい:
日本編(上):
- 「時を止める美容」——エピジェネティクス研究による老化マネジメントへの転換
- 「PREステップアイテム」——メインケア前の先回りケアが日常ルーティンに
- 「サードパーツケア」——顔・髪以外の部位への専用ケアが拡大
- 「ケアダン」——ミドル〜シニア男性が美容市場の新たな成長エンジンに
韓国編(中):
- 「オリジナリティー」——バズ消費からヘリテージ系ブランドへの回帰
- 「ノスタルジア」——AI時代の反動でアナログ・レトロ表現が価値を持つ
- 「情緒ケア」——機能訴求から使用体験そのものへの価値シフト
- 「持続可能性」——原料から廃棄まで、行動で示す第二世代クリーンビューティー
下編では、アメリカ市場の4キーワードと、連載を締めくくる3カ国共通のまとめをお届けします。
この記事でわかること
- アメリカ市場が注目する4つのキーワード
- Color-adaptive makeupとリテールインフルエンサーが生まれた背景
- 3カ国に共通する「意味のある選択」という消費潮流
アメリカ編:4つのキーワード
9. 進化系ブラシ&チーク ——"Color-adaptive makeup"が技術トレンドに
米国のメイク市場では、チークカテゴリへの注目が高まっているといいます。
同レポートによれば、ぷるぷるとしたジェリー質感や肌温・pHで発色が変わる"反応型"など新しいチークが続々登場。ブラシも頬の凹凸に沿うウェーブ形状や球体ヘッド、毛の密度・毛先カットを最適化したものなど進化が著しいとのこと。
2025〜2026年の技術トレンドとして同レポートが挙げるのが、"Color-adaptive makeup"。pH感応顔料を使ったバーム・ティント・リップ・チークの開発が各社で強化されており、ファッション現場での"Rosy Flush(自然な血色)"志向やTikTokの#phmakeupの拡散も相まって、市場を加速させているといいます。
10. プレイフル&アイコニック ——機能に裏打ちされた"理由ある大胆さ"が主流に
同レポートが米国市場で指摘するのが、デザインとブランドアイコン化の関係です。
白ベースで機能一筋だったエイジングケアやドクターズ系コスメでも、明るく遊び心のある見た目を取り入れる動きが増えているといいます。「Sephora kids」のSNSトレンドを背景に、第一印象で親しみやすくSNSで見つけやすいデザインが若年層を中心に人気を獲得。
ポイントは単なる"映え"ではなく、ドーム型でムラになりにくい形状やpHで色がなじむバームなど機能性の結果としてのユニークな見た目であることだと同レポートは強調。さらに物価高を背景にマルチユース需要も高まっており、志向性と経済合理性を両立するアイテムが支持を集めると予測しています。
11. リテールインフルエンサー ——"棚前接客"をインフルエンサーが担う新時代
ULTAによる「Ulta Marketplace」開設、Sephoraによる「My Sephora Storefront」発表——。米国の大手美容専門店がインフルエンサーのストアフロント(自分の「店」ページ)を相次ぎ整備していることについて、同レポートはその意味を次のように分析しています。
単に購入へのリンクを貼って薦めるだけのスタイルから脱却し、色選び・使い方・予算別セット提案、在庫や価格の提示、受け取りまでを含むいわば"棚前接客"をインフルエンサーのコンテンツが担うことになる。
—— ampule「日韓米美容トレンド予測2026」より
インフルエンサーの評価指標もエンゲージメントから売上・回転・リピートへと移行しつつあり、ストアフロント戦略はSNS世代の購買チャネルとして重要性を増すと同レポートは見ています。
12. コウジ酸コンシャス ——日本発成分なのに、活かすのは日本以外のブランド
最後のキーワードは、J-Beautyへの示唆を含む内容です。
米国で「成分で選ぶ」スキンケアが定着するなか、色ムラ・くすみ対策として日本発の「コウジ酸」(Kojic Acid)への注目が高まっているといいます。しかし、SNSやECで話題を作っているのは日本ブランドではなく、#kojicacidや"kojic soap"の盛り上がりも英語圏が中心とのこと。
「信頼は高いのに、製品と体験が足りない」というギャップがあり、ここに日本ブランドのチャンスがあります。
—— ampule「日韓米美容トレンド予測2026」より
同レポートは、発酵美容やコウジ酸を軸に日本発のアイテムが米国市場に打って出られれば、J-Beautyの存在感を高める大きな転換点になり得ると結んでいます。
まとめ:3カ国に共通する「意味のある選択」
ampule・Glowdayz・Cosme Huntの3社による「日韓米美容トレンド予測2026」が浮かび上がらせるのは、3カ国に共通するひとつの潮流です。
「なんとなくのトレンド消費」から「意味と根拠のある選択」へ。
日本では細胞レベルで老化に向き合う科学的ケア、韓国では成分よりも倫理と信頼を重視した消費、アメリカでは機能に裏打ちされたデザインと購買体験の進化——。それぞれの形は異なりますが、「なぜそれを選ぶのか」を問う消費者の意識が世界規模で高まっていることが読み取れます。
2026年の美容シーンを先取りするために、ぜひ今日から自分のケアを見直してみてください。
連載を振り返る
- 【上】日本編4キーワード——時を止める美容・PREステップ・サードパーツ・ケアダン
- 【中】韓国編4キーワード——オリジナリティー・ノスタルジア・情緒ケア・持続可能性
- 【下】アメリカ編4キーワード+まとめ(この記事)
出典:ampule・Glowdayz・Cosme Hunt「日韓米美容トレンド予測2026」(2025年12月12日発表)
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